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「第13回 チョウ類の保全を考える集い」開催しました

2月11日(土)、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、「第13回チョウ類の保全を考える集い」が開催されました。

朝の冷え込みは厳しかったですが、いいお天気で集い日和になりました。

ボランティアスタッフさんは、早めに集合。
会場設営や受付にスタンバイしていただきました。
受け付け開始時間になると、ご参加の方が続々とお見えになりました。
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開始時間になり、松村代表理事のあいさつの後、講演が始まりました。
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午前中は、「外来種はなぜ悪いのか~昆虫の世界に見る外来種の影響~」というテーマについて、ふじのくに地球環境史ミュージアムの岸本年郎氏による「昆虫の世界で起こっている外来種問題」と、アリ研究家の砂村栄力氏による「アルゼンチンアリは何を起こしているのか」の講演でした。

岸本氏の講演では、「外来生物はその存在そのものが問題なのではなく、侵略的な外来種が深刻な被害を引き起こすことが問題であることを強く認識する必要がある」という言葉が心に残りました。
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このカラフルな「リュウキュウツヤハナムグリ」も外来種で、土壌生態系に大きな影響を与えることも懸念されるそうです。
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(岸本氏講演資料より)

砂村氏のアルゼンチンアリのお話は、その生態から対策までわかりやすかったです。
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スーパーコロニーの説明で、ハートマークがいっぱいのパワポ画面が素敵でしたが、喜んでいる場合ではありませんね。。。
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(砂村氏講演資料より)

お昼の時間帯には、NPO法人日本チョウ類保全協会の総会が開催され、正会員の方にご出席いただき、無事に承認されました。

午後の部の前半は、まず、韓国から来日してくださった金聖秀(Kim,Sung-Soo)氏(Research Institute for East Asian Environment and Biology)による「韓国におけるチョウの現状と保全」の講演です。
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(金氏講演資料より)

韓国語でのスピーチでしたが、韓国から同行された左明恩(ザ ミョンウン)さんが、わかりやすく日本語に訳してくださいました。
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<右:金聖秀氏  左:左明恩氏>

韓国のチョウの特徴、チョウ類研究の歴史、日本と同様に草原のチョウが減少していることなど、興味深いお話をたくさんしていただきました。
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韓国では、まだチョウの保全活動に関して民間レベルでの活動はないそうです。
今後も、金先生と当協会が情報交換をさせていただきたいと思いました。

次は、名古屋昆虫同好会の高橋昭氏による「かつての自然の『豊かさ』~チョウから描く環境の変化~」の講演でした。
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ご高齢にもかかわらず、遠方よりいらしていただき、貴重なお話をしていただきましたことに大変感謝しております。
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(高橋氏講演資料より)

お話を聞いて、その風景を頭の中で描いてみました。
タイムスリップして、そこに飛んでいきたい気持ちになりましたが、現実に戻って、
できることを地道にコツコツやっていこうと思いました。

ここで、休憩時間。

その休憩時間の間には、ボランティア説明会がありました。

ここでは、①生息状況調査班(鶴藤氏)、②ツシマウラボシシジミ班(永井氏)、③事務局ボランティア(井上)が担当して興味のある方に集まっていただき、説明しました。
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各班ともに、数名の方にご登録いただきました。どうもありがとうございます。
このボランティアは、随時募集しておりますので、興味のある方は当協会事務局までお問い合わせください。

休憩の後の午後の部は、

北信濃の里山を保全活用する会の福本匡志氏による「長野県飯山のオオルリシジミ」と、公益財団法人東京動物園協会多摩動物園の古川紗織氏による「オガサワラシジミの生息域外保全の取り組み」の講演でした。

オオルリシジミの保全活動では、具体的な保全活動の他に、生息地の草原資源(カヤ)を活用した保全の試みが紹介されました。
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生息地のススキは、茅葺き屋根の素材(カヤ)としての品質が良いそうで、ススキを刈り取って屋根業者に買い取ってもらい、保全活動の資金にしているそうです。その草地資源の積極的な活用は、素晴らしいと思いました。

オガサワラシジミの生息域外飼育活動については、大変な試行錯誤の連続があり、今も試みが続けられていることがわかりました。
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現地で、ブルーの宝石がたくさん飛ぶ日が来ますように、祈っています。
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(古川氏講演資料より)

最後は、当協会より活動報告。

絶滅危惧種保全では、ツシマウラボシシジミの飼育繁殖活動について、事務局塩氏より報告がありました。
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ツシマウラボシシジミは通称「ツッシー」と呼ばれています、その活動を支えているのがツッシーチームの皆さんです。
年に3回のデリケートな飼育繁殖作業は大変ですが、このチームのおかげで、ツシマウラボシシジミは命をつないでいます。
これからも活動は続きますので、応援宜しくお願いします。

庭のチョウ類調査は、事務局永井氏より2016年度のデータの報告がありました。
まだ参加者が少ない状況ではありますが、4年目になり、常連のチョウや動向が気になるチョウも見えてくるようになりました。

今年も調査は続きますので、皆さまも「庭のチョウ」で検索していただき、ぜひサイトをのぞいてみてください。
そして、ご参加いただけたら嬉しいです。

イベント等の開催や出展方向は、事務局井上(私)よりご報告しました。
今年も、春・秋の観察会、12月の写真が中心の展示会など行いますので、ご参加お待ちしております。

各種保全事業・保全支援事業につきましては、事務局長中村より報告がありました。
絶滅の危機にあるチョウは年々増えており、全てには手が回らない状況ではありますが、
皆様のお力を借りながら頑張ってまいります。
そして、引き続きのご協力をお願いして、閉会となりました。
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長時間にわたり、たくさんの方にご聴講いただきましたこと、感謝いたしております。
また、講演者の皆さまには、お忙しい中大変興味深い講演をしていただきまして、ありがとうございました。

閉会後には、懇親会も開催され、楽しいひと時を過ごしました。
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来年も、同時期にこの「チョウ類の保全を考える集い」を開催する予定です。

それからやはり同時期に「関西・中部地区のチョウ類の保全を考える集い」(今年は、2月4日に開催済)も開催しております。

そのほかのイベントなどにつきましても、随時ホームページなどで広報しております。

長々と書いてしまいましたが、最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。

日本チョウ類保全協会
事務局 井上◇”◇

          (写真撮影:益永、井上)
by jbcs | 2017-02-22 17:45 | チョウ類保全の話題
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