カテゴリ:チョウ類保全の話題( 15 )

イギリスのチョウ類保全

最もチョウ類保全が進んでいる国・・・それは、イギリスです。

日本チョウ類保全協会は、英国チョウ類保全協会とも連携し、
チョウの保全活動を行っています。

英国チョウ類保全協会では、1995年に始まった調査(イギリス
国土全体を10km区画に分け、ボランティアがチョウの種類や数
を数える調査)を行っていますが、そのデータ量は2009年まで
の15年間で500万件以上あり、現在も続けられているそうです!

すごいことです。日本では国土100%の調査は山が深くて無理
でしょうね。

更に、2006年からは、ガの調査も始まっています。ガは、野鳥
のエサとなることや種類が大変多いことから、生態系での大きな
役割が認識されています。

詳しくは、日本チョウ類保全協会に入会して、会報誌「チョウの
舞う自然 会誌12号」をご覧ください(^_^)


◇英国チョウ類保全協会 British Butterfly Conservation Society

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ぽん太
by jbcs | 2011-02-03 19:20 | チョウ類保全の話題

第5回 全国チョウ類保全シンポジウムに行ってきました。

 奈良県御所市で1月22日(土)に開催された第5回全国チョウ類保全シンポジウムに参加してきました。

b0194593_1864512.jpg こんな入口の大きな建物が会場で、初めてなので、ちょっぴり緊張しながら入ってみました。
b0194593_1873399.jpg 入ったところの受付のすぐ横で、どこかで拝見したようなお顔が・・・そうだ!昆虫写真家の海野さんだ!今回は海野さんの講演を楽しみにしていたんですけど、こんな間近でご本人を見れるとは感激しました。

b0194593_187395.jpg 広い会場でした。地元の方が多く参加されているようでしたよ。皆さん、熱心に聞き入っていました。
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 海野さんの講演で、印象に残ったのはね、「その蝶がいるって分かっているところでは、その蝶の採取はやめて、写真で楽しむのが1番」ってところでした。

 今回のシンポジウムでは、会場から見える大阪府と奈良県にまたがる葛城山のギフチョウの保全活動に取り組んでいる方々のお話しも聞かせていただきました。やっぱり少なくなってきているギフチョウは採らないほうがいいなぁ~って、率直に感じました。どこにどんな蝶がいるのか、日本では、ほとんど調べ尽くされているらしいですしね。

 葛城山では、昨年から、ギフチョウが生息している奈良県側では、土地の所有者の方々の協力を得て、ギフチョウを採取する人の立入を制限しているんですって。う~ん、それなら、憧れのギフチョウさんを1度私も撮影しに葛城山に出かけてみようかなって思いました。だってね、網を持った人がやってきて撮影モデルのギフチョウさんを目の前でさらっていかれちゃうととても悲しいので。
(撮影:2011年1月22日 奈良県御所市にて 神 京子)
by jbcs | 2011-01-24 09:30 | チョウ類保全の話題

異常気象による影響

 先日、長崎県のタイワンツバメシジミの保全の現場を訪れた。平戸島に生息するタイワンツバメシジミは、自然公園法の指定動物に指定されており、地域の人々が環境省からの依頼で、生息状況の調査や保全活動を行っている。
 タイワンツバメシジミは、年1回9月頃にのみ成虫が現れるが、年1化のチョウでこの時期に出現するチョウは非常に珍しい。幼虫がシバハギという植物の実を食べるため、シバハギの開花期に合わせて出現するためである。
 生息地をいくつかまわってみて、驚いたことに、シバハギの開花状況が非常に悪く、100株近くあるものの、まったく花が咲いていない(今年は開花しない)場所がいくつも見られた。開花している株がある場所でも1割程度しか咲いていない場所がほとんどであった。通常はほとんどの株が開花するので、異常気象で雨が少なかったことが原因と考えられる。
 まったく開花しなかった場所では、一時的にタイワンツバメシジミは絶滅してしまうであろう。また、良好な年に飛んできてくれることを願うのみである。こうした異常気象が続くと一体どうなってしまうのか、非常に不安になった。
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  タイワンツバメシジミ
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  シバハギの実を食べる幼虫
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  一面に開花しているシバハギ
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  まったく花をつけていないシバハギ
by jbcs | 2010-09-13 18:34 | チョウ類保全の話題

ハグロトンボ

チョウの観察会や保全活動の場で、よく質問に上がるのはこの虫。
チョウの話題から外れますが、季節と話題性からトンボを登場させてみました。
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「真っ黒なトンボを見かけたんですが珍しいですか?」
「街の中にも飛んでいました」
というようなご質問をよくいただきます。これは、ハグロトンボという種類。7月になると、小川のほとりに現れます。
1950年代から80年代にかけては全国的に激減しており、見られなくなっていた地域も多いのですが、1990年代以降は再び分布を広げ、街中でも姿が見られるようになった場所も数多くあります。その変動の理由は、いくつか仮説が立てられていますが、まだよく分かっていません。
ただ、このように、再び増える種類がある一方で、その数倍の種類のチョウやトンボが姿を消しつつあります。ひとたび絶滅した生物は、二度とは戻りません。ハグロトンボのような存在は、身近な生きものを意識し、大切にしようとする際の希望にもなっています。
(2009年7月31日 山形県舟形町 永幡嘉之撮影)
by jbcs | 2010-08-06 21:58 | チョウ類保全の話題

小規模な集団のチョウたちの危機

今年は、春から天候が不順で、低地部のギフチョウなどは発生状況が全体的に非常に悪い状況でした。6月以降に発生する、絶滅危惧種のチョウも種類や場所によって、非常に状況が悪化している場所があります。
 ウスイロヒョウモンモドキやミヤマシロチョウでも、例年どおりまたはそれ以上に発生している場所もある一方、危機的な状況にまで個体数が少なくなってしまっている場所も見られます。
 こうした気候・天候の変化があったとしても生息地の数が多く、それらがネットワークでつながっているようなところでは、何とかチョウが回復するのですが、すでに1ヶ所で孤立した場所にしか残っていない場所では、この影響で、絶滅してしまう可能性が高く、実際今年は、そのような状況が様々なチョウで見られるようです。
 開発や里山管理放棄などで、すでに脆弱な環境にしか残っていない現在、今後、さらに多く発生するであろう、こうした気候変動によって、さらに減少のスピードが速まっていく可能性が高いでしょう。
 こうした危機をどう乗り切っていくか? トータルな対策が必要な状況となっています。

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             ミヤマシロチョウ 浅間山系 2009年7月撮影
by jbcs | 2010-07-31 15:06 | チョウ類保全の話題