山梨県のゴマシジミの保全活動へのご協力お願い

山梨県茅ヶ岳周辺には、かつてはゴマシジミが広く分布していましたが、近年急速に個体数を減らし、現在でも生息が確認されている場所はごく限られている状況です。

 そこで、この地域のゴマシジミの生息地である山梨県北杜市の2ヵ所(旧明野村で1ヶ所、旧須玉町で1ヶ所)で、2009年よりゴマシジミの生息環境の保全活動が、地元、 北杜市オオムラサキセンター、日本チョウ類保全協会により行われています。
 この保全活動では、ゴマシジミの生息に配慮した環境の維持・管理を行っており、草刈りの際に食草のワレモコウを残すように留意しているほか、寄主アリの調査なども行っています。
旧明野村の生息地では、地元の財産区管理会が、保全活動地域でのゴマシジミ採集を禁止する旨の看板を設置し、ゴマシジミを守る活動への協力をお願いしております。また、旧須玉町の生息地は、農地でもあり、棚田の畔が崩れやすいこともあるため、採集だけでなく写真撮影なども含め、地元農家の許可なく棚田に立入ることをご遠慮いただいております。(こちらも看板を設置しております)

 おかげさまで、昨年は、ワレモコウの生育状況も良好になり、特に旧須玉町では、活動区域でゴマシジミの産卵も多く観察できました。皆様のご理解・ご協力に厚くお礼申し上げます。
 しかしながら、これらの地域のゴマシジミの発生は、いまだ厳しい状況に変わりはなく、同地域でゴマシジミが将来にわたって見られるよう、保全活動を進めてまいりますので、今後ともご理解・ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
また、保全活動を進めるにあたり、草刈りなどの管理活動にご協力いただけるボランティアを募集しております。本活動にご協力いただける方は、ご連絡をお願いいたします。


NPO法人 日本チョウ類保全協会
〒140-0014 東京都品川区大井1-36-1-301
TEL:080-5127-1696
北杜市オオムラサキセンター
 〒408-0024 山梨県北杜市長坂町富岡2812
TEL:0551-32-6648
# by jbcs | 2010-08-18 20:36 | 活動報告

クジャクチョウ

高原にクジャクチョウの姿が増えてきました。
b0194593_20354392.jpg

晩夏の高原でマツムシソウなどに集まる姿が印象的です。成虫で厳しい冬を越すため、今のうちに栄養分を蓄えているのでしょう。
(8月18日、山形県蔵王山で永幡嘉之撮影)
# by jbcs | 2010-08-18 20:35 | 季節のチョウたち

ヒョウモンモドキの現地調査と保全

 8月上旬に広島県世羅・賀茂台地でヒョウモンモドキというチョウの生息状況調査を行いました。このチョウは、現在、日本でもっとも絶滅に近い状況になってしまっています。昨年度から今年にかけての天候不順の影響で、数の少なくなった生息地や個体数が大打撃を受けてしまったためです。
今年の状況は昨年よりさらに悪化しており、このままだと数年で絶滅してしまう状況です。
 こうした状況に対応するため、今年から、人工繁殖に取り組んでおり、飼育施設が地元に作られ、そこで、飼育が行われています。こちらは何とかうまくいっており、来年度には、絶滅した場所で再導入を行っていく予定です。
 このような状況になってしまったのは、長期にわたる全体的な環境の悪化で、生息地数が少なく、孤立してしまっているためです。そのため、ヒョウモンモドキを守るためには、全体的な環境の回復・復元が必要で、チョウを含め野生生物の保全の難しさがもっとも現れているといえるでしょう。
 この状況を何とかするため、秋~冬には、現地で少しでも多くの場所で草刈などの生息地復元作業を行う予定ですので、ご協力いただける方はご連絡をお願いいたします。

 ヒョウモンモドキの保全活動については、こちらもご覧ください。
 http://melitaea.exblog.jp/
b0194593_12254642.jpg

ヒョウモンモドキの飼育施設
 
# by jbcs | 2010-08-16 12:26 | 活動報告

オオチャバネセセリ

b0194593_18523213.jpg

稲穂が伸びる時期となりました。イネの葉を食べることもあるイチモンジセセリとともに、少し翅の丸いオオチャバネセセリの姿もよく畦道で見られます。こちらは近くの山裾で、ササの葉を食べて育ちます。
(2009年8月 山形県村山市で永幡嘉之撮影)
# by jbcs | 2010-08-14 18:54 | 季節のチョウたち

アオスジアゲハ

暑い中でも平気で飛び回り、半透明の水色の帯が爽やかです。幼虫は公園などに植えられたクスノキやタブノキによく発生するため、街中でもよく姿が見られます。
b0194593_2213547.jpg

この季節、ヤブガラシの花に集まっている場面や、水たまりで水を吸っている姿をよく見かけます。
(2010年7月18日 山形県酒田市で永幡嘉之撮影)
# by jbcs | 2010-08-08 22:00 | 季節のチョウたち

ハグロトンボ

チョウの観察会や保全活動の場で、よく質問に上がるのはこの虫。
チョウの話題から外れますが、季節と話題性からトンボを登場させてみました。
b0194593_21514114.jpg

「真っ黒なトンボを見かけたんですが珍しいですか?」
「街の中にも飛んでいました」
というようなご質問をよくいただきます。これは、ハグロトンボという種類。7月になると、小川のほとりに現れます。
1950年代から80年代にかけては全国的に激減しており、見られなくなっていた地域も多いのですが、1990年代以降は再び分布を広げ、街中でも姿が見られるようになった場所も数多くあります。その変動の理由は、いくつか仮説が立てられていますが、まだよく分かっていません。
ただ、このように、再び増える種類がある一方で、その数倍の種類のチョウやトンボが姿を消しつつあります。ひとたび絶滅した生物は、二度とは戻りません。ハグロトンボのような存在は、身近な生きものを意識し、大切にしようとする際の希望にもなっています。
(2009年7月31日 山形県舟形町 永幡嘉之撮影)
# by jbcs | 2010-08-06 21:58 | チョウ類保全の話題

ミヤマカラスアゲハ

あまりに暑い日が続きますので、少しでも涼しそうな画像を。
b0194593_21383065.jpg

飛んでいると真っ黒に見えるアゲハチョウのなかでも、ミヤマカラスアゲハはとびきりの美麗種。翅を開くと鮮やかな緑色の帯が目に飛び込んできます。少し山間部の渓流沿いに多い種類ですが、郊外のお寺などではオニユリの花に来る姿を見かけることもあります。(7月31日 山形県東根市、永幡嘉之撮影)
# by jbcs | 2010-08-04 21:40 | 季節のチョウたち

クロアゲハ

b0194593_1144218.jpg

庭のミカンやサンショウで幼虫が育つことも多いクロアゲハ。夏には山あいの林道で、染み出した水を吸っている光景をよく見かけます。(7月31日、山形県東根市で永幡嘉之撮影)
# by jbcs | 2010-08-01 11:06 | 季節のチョウたち

イチモンジセセリ

b0194593_1403143.jpg

イチモンジセセリの姿が増えてきました。幼虫は水田のイネや、周辺に生えるイネ科の草の葉を綴りあわせて食べます。これから秋にかけて、畑や花壇など、身近なところで見られるようになります。(山形県上山市、永幡嘉之撮影)
# by jbcs | 2010-08-01 01:41 | 季節のチョウたち

小規模な集団のチョウたちの危機

今年は、春から天候が不順で、低地部のギフチョウなどは発生状況が全体的に非常に悪い状況でした。6月以降に発生する、絶滅危惧種のチョウも種類や場所によって、非常に状況が悪化している場所があります。
 ウスイロヒョウモンモドキやミヤマシロチョウでも、例年どおりまたはそれ以上に発生している場所もある一方、危機的な状況にまで個体数が少なくなってしまっている場所も見られます。
 こうした気候・天候の変化があったとしても生息地の数が多く、それらがネットワークでつながっているようなところでは、何とかチョウが回復するのですが、すでに1ヶ所で孤立した場所にしか残っていない場所では、この影響で、絶滅してしまう可能性が高く、実際今年は、そのような状況が様々なチョウで見られるようです。
 開発や里山管理放棄などで、すでに脆弱な環境にしか残っていない現在、今後、さらに多く発生するであろう、こうした気候変動によって、さらに減少のスピードが速まっていく可能性が高いでしょう。
 こうした危機をどう乗り切っていくか? トータルな対策が必要な状況となっています。

b0194593_15101631.jpg

             ミヤマシロチョウ 浅間山系 2009年7月撮影
# by jbcs | 2010-07-31 15:06 | チョウ類保全の話題